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「自分の意志で強く制御しようとしているその有様自体に宿る制御不能性」が、凡庸なそれとは一線を画しているから。彼の場合。

 本当に長くつらい時期が終わったものだから、昨日は早めに帰宅し、衣と暗がりの中を一時間程散歩した。衣は、建物の陰に隠れていた月が再び現れるたびに、「あ、また、つき!!どでかのつき」と叫ぶ。ここ、1, 2ヶ月の衣の学習スピードは驚異的であり、こうも短期間で変わってしまうと、なるほど同一性という概念には、それ相応の疑念が投げ掛けられてしかるべきと思う。
 あと数時間後にはWSが始まる。自分の重要な基底が20代の中盤から後半にかけて、ぐいんと変質していった事実があり、その変化の中で、松井に対する好感が増してきたのは、何か、こう、非常に示唆的なことなのだ。従って、本来であれば、ichiroから離れていくのが筋なのかもしれないが、タイトルに書いたことが理由で、やはり目が離せないのだと思う。

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